06/02/22 配信
**英語インタビュー取材・日本語執筆記事**
2019年、アジアで初めて同性婚を合法と認めた台湾。その台湾で今年4月、第一回「Asian Pride Games(エイジアンプライドゲームズ)」が開催された。バスケットボールや水泳、陸上からeスポーツまで、12種目にまたがるスポーツの祭典では、従来の性によるグループ分けにはなかった「ハッピーグループ」という部門別で行われる競技が設けられた。新型コロナの感染者が増加する状況にもかかわらず、参加総数は2700人。27ヶ国に及ぶ、台湾在住外国人の選手も参加したこの大会は、スポーツを通じてジェンダー問題を社会に投げかける機会となった。
◆コロナ禍での厳しいスポンサー探し LGBTQ+コミュニティによる国際的なスポーツイベントは、コミュニティの親睦と、健康的な生活を促進するために、2002年にマレーシアで「The Straits Games(TSG)」という名で始まった。その後、周辺国でイベントの持ち回り開催という形で定着していき、東南アジアの国々で、数年に一度開催されてきた。
新型コロナによるパンデミックの影響で、TSGの開催国変更や、開催年が先送りとなるなか、2021年10月「エイジアンプライドゲームズ同盟」が新たに組織された。関係者が日本や中国へと広がりを見せるなかで、名称を変更することで、アジア全域を巻き込んだ形でイベントを開催するという流れができたという。こうして4月29日〜5月3日、台湾で初の「エイジアンプライドゲームズ」が開催された。
イベントを運営するエイジアンプライドゲームズ同盟の会長で、台湾同志運動発展協会(Taiwan Gay Sports and Movement Association)の理事長の楊智群(ヤン・チーチュン)さんは、普段は大学院の博士課程に所属する研究者だ。「コロナ禍ゆえに、スポンサー探しの活動が積極的にできなかったことが、もっとも大きな問題だった」と話し、ヤンさんたちの苦労話しは尽きない。それでも台湾政府による助成金をはじめ、ナイキのようなグローバルスポーツ企業からの支援を取り付けることに成功した。
さらに、マスク生産事業者や、ホテルチェーンといった台湾企業だけでなく、「ポカリスエット」(大塚製薬)や「サロンパス」(久光製薬)、ゲイ向け出会い系アプリ「9monsters(ナインモンスターズ)」といった日系企業からも、スポンサーシップへの協力を取り付けた。
それでも状況は厳しい。開催予算の3500万元(約1.5億円)すべてを、開催前に調達しきれず、イベント開催後も借り入れを余儀なくさているが、現在引き続き関連商品の販売を通じ収入を確保しつつ、支払いを継続しているという。
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