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執筆者の写真funtrap

「ゴミゼロ」ブロガーが作るエコ洗濯洗剤に注目殺到!


瓶に詰められたゴミ photo:www.trashisfortossers.comより

2年間ゴミをださない生活を送ったニューヨーク在住の女性ブロガーが、エコ洗剤の生産販売をするためにKickstarterを通じて資金を募ったところ、48時間で1万ドル(約100万円)を達成。最終的に4万ドルを集めて無事に事業資金を集められたという。

ニューヨーク在住のローレン・シンガーさんは、2年間全くゴミをださない生活を送ってきた。その様子を綴ったブログ「Trash is for Tossers」は様々なメディアで取り上げられるほど注目されている。

エコ関連のオンラインマガジン「Mind Body Green」に掲載された彼女のストーリーによれば、ニューヨーク州立大学で「環境問題」について学んでいる際に、エコを学ぶクラスメートがビニールだらけの生活を送っていることに腹を立てたが、自宅の冷蔵庫を改めて見ると、まさに自分こそ「偽善者だ」と気がついたという。冷蔵庫のものは、ラップがかけられたり、ビニールに包まれているものばかり。それ以来、「ゼロプラスチック生活(=プラスチック(ビニール)を排除する生活)」をはじめたという。

ビニールやプラスチックのもので「パッケージング」されているものを、すべて排除する生活を送るには、歯磨き粉や掃除や洗濯をするクリーニング剤についても、自分で手作りをする必要が出てきた。

彼女が手作り洗剤を作る際に参考にしたのが、カリフォルニアでゴミゼロ生活を送っているビア・ジョンソンさんサイトの「Zero Waste Home」。その頃すでにゼロプラスチック生活ができるようになっていた彼女は、「4人家族がジャム瓶1個しか1年でゴミをださないような生活を送れているのであるなら、一人暮らしの自分にもできるはず」とゴミゼロ生活開始に一念発起。生活習慣を変え、ジョンソンさんように、ジャム瓶1個に収まるほどのゴミしかださないようになったそう。それもその瓶も捨てずに取っておくことでいつかリサイクルできるタイミングを待っているという。

「ゴミゼロ生活になったとはいえ、特に生活を変えたという意識はなくて、友人と会ったり、外食したり、買い物したり。ただゴミをださないようにしているというだけ」シンガーさん談

ゴミゼロ生活の最初のステップは、「出来合いの食べ物」を購入しないで、必要なものをリストアップし、必要な分だけ都度材料を購入して作るようになったこと。加えて自分が持っていたものを大幅に「ダウンサイジング」したという。売ったり、寄付したり、人にあげたりすることで、不要なものを排除したというのだ。さらにゴミになる可能性があるものに対して「ノー」と言う生活を送り始めた。例えば、バーに行ったらストローは要らない、買い物に行った先でビニール袋は不要、レシートも要らないとキチンと伝えるといったことだ。

その結果「節約」につながり、「より健康的な食生活を送る」ことができるようになり、より「幸せ」を感じるようになったという、いいことづくめハッピースパイラルになったという。彼女のブログやFacebook、Instagramを覗けば、その生活が決して地味でストイックで、つまらない生活とは程遠く、実に華やかで、ファッショナブルで、生き生きとしたニューヨークの若者的生活であることがすぐわかる。

大学卒業後、ニューヨーク市の環境保護部門のサステナビリティーマネージャーを務めていたシンガーさんは、こうしたゴミゼロ生活を送りつつ、さらに空いた時間で、サステイナブルで、エコな材料を使ったパーソナルケア製品や掃除用洗剤を作り続けていた。そして満を持して、人にも地球にも優しい製品を作る「The Simply Co.」を立ち上げることにしたという。

ベイキングソーダ、ウォッシングソーダ、キャスタイルソープから作られる洗剤はもとより、乾燥機に使用するドライボールは、ウールの毛糸でひとつひとつ手作りされたもの。また洗剤用のスプーンは、リサイクル粘土を利用して、アーティストがひとつずつ手作りしたものを使用するというこだわりぶり。The Simply Co.が最初に販売する「ランドリーパウダー(洗濯洗剤)」は一箱19ドル。

「予定金額の400%以上を達成したことで、オフィスを借り、オーガニック認定を得て、さらに予定よりも早いタイミングで、新製品の製品テストが行えている」という。製品は2月にはリリース予定だ。

先に挙げたゴミゼロ生活のエキスパート、ビア・ジョンソンさん曰く、ゴミゼロ生活を叶えるには「5R」を達成しなくてはならないという。

1)”Refuse” what you do not need(不要なものを拒み) 2)”Reduce” what you do need(必要だと思うものを減らし) 3)”Reuse” what you consume(できるだけ使ったものを再利用し) 4)”Recycle” what you cannot Refuse, Reduce or Reuse,(拒否できなかった、減らせなかった、再利用できなかったものをリサイクルに回し) 5)Rot (Compost) the rest(残りは堆肥(コンポスト)にする。

まさに、このアドバイスに従ってゴミゼロ生活を実現したシンガーさん。もちろん何事も一晩では状況を変えられない。どれだけ多くの人が、シンガーさんやジョンソンさんのように、便利なプラスチックだらけの生活から、不便を感じるかもしれない生活に変われるかわからないが、クラウドファンディングの資金調達の状況から、多くの人がこうした生活への変更の必要性を感じ、支持していることは明らかだ。

実際にマーケットに出された後の製品の人気が、今から楽しみである。

<Punta用記事 2015年1月掲載> http://punta.jp/archives/32657


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