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執筆者の写真funtrap

ロサンゼルスに『スター・ウォーズ』が登場?! オスカー気分に浸れる映画コスチューム展「FIDMミュージアム&ギャラリー


再開発が進むロサンゼルスのダウンタウン。その昔は、治安に不安があったものの、ここ数年で一気に様変わりし、若者たちが好むファッショナブルなコンドミニアムやレストランなどが続々と立ち並ぶ。昼間のビジネス街としての顔だけでなく、歩いて楽しめる街として、今やダウンタウンLAは注目を浴びている。

アカデミー賞受賞候補の映画コスチュームが「無料」で見られる!

そんな中、西海岸のファッション専門大学として名実共に人気を博すFIDM(Fashion Institute of Design and Merchandising)は、ダウンタウンLAに拠点を置く数少ない学校のひとつ。そして公園に面した緑豊かなキャンパスの1階にあるのが、同校が“無料”で一般解放している「FIDM Museum & Galleries 」。

FIDMは、ファッションに関するあらゆる情報や作品をコレクションしており、常設展だけでなく年間で3、4本の特別展を展開している。そして2~4月の初春にかけて毎年同館が催している特別展が、今年で24回目を迎えた映画コスチュームを紹介する「Art of Motion Picture Costume Design」だ。

同館のキューレターであるケヴィン・ジョーンズ氏をはじめ、美術館スタッフが毎年「映画速報」のタイミングからリサーチをかけて選び抜いたコスチューム約20数展が展示される。ブロックバスター(大型スタジオが展開する娯楽映画)から、インディペンデント映画まで幅広い作品から選りすぐりの作品が並ぶこの特別展の特徴は、映画の良し悪しや知名度に関係なく「衣装」としての作品の質を吟味したものが展示されている点に注目したい。

ジューンズ氏曰く「今年は前年のSFやアクションムービーのコスチュームと比べると、ぱっとみてわかるように、スーツや普段着のような衣装が多く選ばれている」と語る。衣装をみただけで、その年制作された映画の傾向も一目で分かるのもこの特別展の意義のひとつ。

映画衣装はファッションビジネス?!

また近年の衣装に見られるユニークな傾向は、映画の中の衣装を実際に購入できる仕組みが業界内で出来上がりつつあるというもの。例えば、今回展示されている「Kingsman:The Secret Service」では、衣装デザイナーであるアリアナ・フィリップがデザインした衣装を、生産を請け負ったイギリスのメンズブランド「MR PORTER」で実際購入できるという。2013年にはBrooks BrothersとPradaが、映画『華麗なるギャツビー』で同様のプロジェクトに取り組んだことからも、今や映画コスチュームは、ファッションビジネスに急成長しつつある。前述のジョーンズ氏は「近い将来、映画を見ながら写真を撮っただけで、衣装をネットでオーダーできるような時代も来るかもしれない」と言う。

あの「スター・ウォーズ」最新作の衣装も生で見ることが!

24年もこうして毎年前年の映画作品から「これは!」という衣装を見つけ出し展示しつづけているFIDM。昨年の話題映画であった「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」の衣装ももちろん展示されている。通常作品の展示は、FIDMのギャラリースタッフが手がけるというが、ルーカスの個人アーカイブから持ち込まれたスター・ウォーズの衣装は、スター・ウォーズのスタッフとの共同作業で行われたという。なお、前期三部作の作品ももちろん展示された経緯があり、FIDMの活動はすでに映画業界では知名度も抜群。もちろんFIDMの卒業生も衣装デザイナーとして多方面で活躍している。

同館が激選した衣装は、多くの場合オスカーノミネート候補になる場合が多く、今年もノミネート5作品全てが展示される運びとなった。展示スケジュールの関係で、なんとFIDMの作品選択は、オスカー候補が選出されるずっと前に決定されるため、毎年展示会準備中に候補を知ることになるといい、ノミネート発表は同館スタッフにとっても毎回緊張感を感じる場面だという。

展示期間中には、展示作品の衣装デザイナーを招いての講演会が催されるだけでなく、キューレターによるプライベートツアーを開催することもある。ぜひ訪問前には、同館のウェブサイトのチェックを忘れずに。

オスカーウィークを楽しむツールはここ!

さて米国はアカデミー賞を鑑賞するために「Oscar Party(オスカーパーティー)」を企画し、ホームパーティーを楽しむ人も少なくない。そんな時には、オンライン招待状を使ったり、チェックリストをパーティーツールとして用意する。まるで自分たちが投票している気分を味わえるのがパーティーの目玉。ネットでは、小さなオスカー像をあしらった菓子や土産グッズがあれこれ手に入れられるので、テレビを通じて小さな映画業界のお祭りを仲間内でも簡単に楽しめる。映画ファンなら日本でもぜひやってみてほしい。

(文:寺町幸枝 from ロサンゼルス、Photo Credit: Photos courtesy of FIDM Museum)

■施設情報

FIDM Museum & Galleries 919 S. Grand Ave. Los Angeles, CA 90015 1-213-623-5821 ex.2224 開館日:火曜日~土曜日 10:00am-5:00pm **映画コスチュームの特別展は2016年4月30日まで開催

<T-SITE Lifestyle 2016年2月掲載> http://top.tsite.jp/lifestyle/lifetrend/i/27752780/


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