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執筆者の写真funtrap

米国のミレニアル世代が熱狂!遊び心あふれるSnapchatプロモーション事例。


米国では、「ミレニアル世代」をターゲットにしたソーシャルメディアが、新たなムーブメントを引き起こしています。その筆頭が消える写真・動画共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」です。今年3月同アプリを運営する米国の「Snap(スナップ)」が上場し、その企業評価額は約230億ドル(約2兆6000万円)となり話題になりました。

ファストカンパニー誌の記事(※1)によると、Snapchatは現在1日当たりのアクティブユーザー数が1億5000万人に上るといわれています。また2016年のエジソンリサーチの調査(※2)によれば、12歳から24歳の米国人4人の内3人がSnapchatのユーザーです。「ミレニアル世代」にとって、話題のネタはソーシャルメディアからであり、彼らにとってのセレブリティーとは、テレビの中のアーティストやシンガーではなくSnapchatなどで人気を集める「インフルエンサー」たちなのです。

Michael Korsのサングラス売上向上を目的としたSnapchatキャンペーン

そんな若者を虜にするアプリを、企業が見逃すわけがありません。Snapchatを通じたマーケティング戦略が、米国を中心に活気づいています。例えば、ハイエンドデザイナーズブランドである「Michael Kors(マイケル コース)」のキャンペーンはその一例です。

2016年6月の「National Sunglasses Day(全国サングラスの日)」に、マイケルコースは「ケンダルII」というサングラス売上向上を目的とした、Snapchatキャンペーンを放ちました。6月27日の1日だけ、ユーザーにこのサングラスをバーチャル試着できる「レンズ」を用意したのです。

レンズとは、Snapchatの機能の一つで、自撮りをする際に「エフェクト」を追加できる機能です。例えば、動物の耳や鼻を足したり、メイクを施したりするといった機能があります。

このキャンペーンは、Snapchatユーザーに非常に好反応で、マイケルコースのサングラスレンズは、Snapchatユーザー内だけで、1億4000万ビューを獲得しました。さらにこの「ケンダルII」の広告への認知度は18%上昇し、購買意向も6%の上昇が見られたというのです。

食品メーカーKraftは、レシピ変更の認知向上に「バーチャルマカロニ食い競争」をリリース

さらにファッション関連に限らず、「食べ物」を題材にユニークなキャンペーンも行われています。デイリーフード(乳製品)を扱う「Kraft(クラフト)」が、米国の家庭で人気を誇るインスタントフードの代名詞「マカロニ&チーズ(通称マックアンドチーズ)」が飛び交うレンズを2016年3月にリリースしました。

このキャンペーンの背景には、クラフトが味を変えずに、定番の青いボックスに入ったマック&チーズ製品から、人工甘味料、保存料と着色料を排除したことを大々的に発表するキャンペーンの一環で行われました。

ユーザーは、「バーチャルマカロニ食い競争」という遊び心あふれるレンズを体験することができました。

この24時間のキャンペーンを通じて、2000万人のユーザーがクラフトのスポンサーレンズを利用し、平均で20秒ゲームを楽しんだということです。このキャンペーンを通じて、ブランドの好感度は5%アップしています。

クラフトハインツ社のマカロニ&チーズ担当のマーケティングディレクターであるジェシカ・ギルバートソンさんは、このSnapchatキャンペーンを「レシピの変更を公表するに際して、消費者に自分たちが前進していることを、最前線に立って知ってもらいたかった。そのために、1日あたりのアクティブユーザー数が1億人を超えるSnapchatは、楽しい方法でファンの目をひく最高のプラットフォームだった」と語っています。

消える投稿で今を切り取り、世界に発信!Snapchatはソーシャル時代の効果的な拡散ツール。

写真や動画が24時間で消えてしまうSnapchatの魅力は、スマートフォンを通じて「リアリティー」を共有できるところにあるのでしょう。常にアップデートされることを求められるテクノロジーにあって、この刹那的なアプリは、若者の思考や行動に寄り添っていると言えるのではないでしょうか。

現在ではInstagramやSnowなどの他のアプリにも、Snapchat同様の機能が備わっています。今回紹介したようなキャンペーン手法はこれらのアプリでも汎用可能です。

こうしたアプリが持つ特性を利用したキャンペーンに成功すれば、口コミ的な流れから、大きなムーブメントにつながる可能性があります。動画や写真を通じて今を切り取ることができるので、ジャーナリスティックなアプローチで「今」を世界に発信するチャンスがここにはあります。

「Snapchatの女王」と称されるインフルエンサーのYesJulz(イェスジュールズ)ことジュリアナ・ゴッダードは、2015年のショーティーアワードのスピーチで、次のような言葉でSnapchatを表現しました。「Snapchatは無料のコマーシャルであり、無料のテレビ局と同じ」と。

ユーザー発信型のソーシャルメディアは、個人、企業に限らず、今の時代に適した拡散ツールの一つであることは間違いないでしょう。アイデア次第でまだまだ先に広がるメディアとして、今後も要注目のメディアであることは間違いありません。

参考文献: (※1)https://www.fastcompany.com/3067469/most-innovative-companies/what-makes-snap-worth-25-billion-and-maybe-more (※2)http://www.edisonresearch.com/the-infinite-dial-2016/?utm_source=Triggermail&utm_medium=email&utm_campaign=Post%20Blast%20%28bii-e-commerce%29:%20Home%20improvement%20retailers%20less%20prone%20to%20digital%20disruption%20―%20Michael%20Kors%27%20Snapchat%20campaign%20―%20Alibaba%20monetizing%20mobile%20effectively&utm_term=BII%20List%20E-Comm%20ALL 「YesJulz」2015年ショーティーアワードでのスピーチ: https://www.youtube.com/watch?v=C4jk0NejTn0 Snapchat広告成功ストーリー: https://storage.googleapis.com/snapchat-web/success-stories/pdf/pdf_michael_kors_en.pdf https://storage.googleapis.com/snapchat-web/success-stories/pdf/pdf_kraft_en.pdf

BWRITE - Case Study 2017.3.30掲載分


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