ヌガーと聞くと、フランスをイメージする人が多いと思うが、実は歴史を辿ると「中国」を経由して伝わったものだ。台湾では「牛軋糖(ニュウガータン)」と呼ばれていて、ミルクにピーナッツ入りのものや、胡麻の入りのものが伝統菓子として昔から家庭で親しまれてきた。しかし、最近台湾ではフレンチヌガーが逆輸入され、ニュウガータンは進化を遂げている。
台湾では、ウエディングギフトに「ヌガー」
台北在住の料理研究家で、キッチンスタジオNC5を主峰するナンシー・ウーさんの話によると、ヌガーは結婚の祝いとして昔から人気があるそうだ。甘いもの=甘い生活を連想させるとして、「甘いものを食べて、スイートな生活を送って、赤ちゃんを作って欲しい」という思いを込めて、贈り物に選ぶのだとか。
さらに結婚式の引き出物としても、ヌガーはよく選ばれている。これはどちらかというよ、世界中に散らばった台湾人たちが持ち帰った、西洋文化の影響を多く受けている趣きだ。欧米では、結婚式で甘いお菓子を「フェイバー」という呼び名でプチギフトとしてゲストにプレゼントする習慣がある。最近の台湾の西洋式結婚式で、このフェイバーはよく見かける光景だ。
人気ヌガーショップあれこれ
そんなニュウガータンを扱うショップとして人気なのが「Sugar&Spice 糖村」。フレンチヌガー(法式牛軋糖)を扱う店で、台湾のヌガー人気の立役者と言ってもいいだろう。台中発のこのお店は今では全国14店舗に広がり、香港にも支店を構える。
一方1950年代から、ニュウガータンを作り続けているのが老舗の「北港川伯食品行」だ。台湾のギフトシーズンである「春節」と呼ばれる旧正月の時期には、毎年台北市内の「迪化街」に出店している。ドライフラワー入りのユニークなものや、抹茶味のものなど、オリジナリティあふれるフレーバーのヌガーが手に入る。
手作りヌガーに挑戦
ギフト向けとしてショップで買うだけでなく、ヌガーを手作りする人も増えている。実際趣味が高じてオリジナルパッケージまで作って、配ったり売ったりしているという人もいるほど。台湾ではオンラインやDIYショップで、ニュウガータン専用のパッケージも購入できる。
先述の料理研究家のナンシー・ウーさんに、早速ナンシーさんオジリナルのヌガーレシピを教えてもらった。
■準備する道具: 鍋、温度計、電動泡立て器(あれば)、ベーキングシート
■材料: (A) 麦芽水飴(あるいは水飴) 500g/水 100g/砂糖 130g/塩 少々 (B)卵の白身 50g、砂糖30g、塩 少々 (C)無塩バター 100g、ホールミルクパウダー(全粉乳) 200g (D)アーモンド 200g
■準備: 1)アーモンドは160度のオープンで、約7分間焼き、オープンの中で温めておく 2)ボールに無塩バターを入れ、湯煎して柔らかくし、温めたままにする
■作り方: 1)Aの材料を全て鍋に入れ、弱火に火をかけて、全てがしっかりと混ざるまで、静かにかき混ぜる 2)5~8分ほどで、水飴が徐々にぽこぽこと泡を出していくのを確認する 3)温度計で温度を確認し、110度に達したら、Bの白身の準備をする 4)泡立て器で白身をよく泡立て、泡が増えてきたら、砂糖と塩を加える。白身の角が立つまでよく泡立てる
5)Aの水飴が130度に達したら、火を止めて、角の立った固めの白身を加えてよく混ぜる 6)Cのバターを加え混ぜ、さらにDの温めたアーモンドを加えて混ぜる
7)全てをよく混ぜて天板または大きめの皿の上にベーキングシートを引き、そこの流し入れる 8)ヌガーが冷めるまで待ち、小さくカットする
大人向けの手作りお菓子という面持ちだ。祝いのシーズンである春だからこそ、手作りヌガーでギフトに挑戦してみてはどうだろうか。
T-Site Lifestyleニュース:2017年4月15日配信分